良いカバー悪いカバー 原曲を超えるおすすめの名曲も紹介します
2018/07/06
音楽の世界には、他のアーティストの曲を自分たち風にアレンジして発表する「カバー」という営みがあります。
一般的に、歌詞とメロディは変えずに、アレンジを自分たち風にする事をカバーと言われています。
カバーには色々な機能があります。
・カバーをする対象へのリスペクトの表現
・カバーされる曲が時代を越えて新しく生まれ変わり、その曲を知らない人にも認知される
・カバーする側のアーティストが受けた影響の主張
など、とても生産的で、基本的には色んな人がハッピーになる営みです。
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目次
サンプリングやオマージュ
カバーに近い音楽的営みで「サンプリング」や「オマージュ」と呼ばれるものもあります。
サンプリング
サンプリングとは、その曲のパンチライン(特徴的なフレーズ)などを一部引用して曲に盛り込むことです。
有名なのはマドンナのHung Upでしょう。
Hung Upには、ABBAの「Gimme! Gimme! Gimme!」の特徴的なフレーズがサンプリングされています。
「Gimme! Gimme! Gimme!」のサンプリングの許可をもらう為のエピソードもとても感動的で、その強い思いが反映された様な素晴らしい曲です。
「手紙とCDを持たせて使者をスウェーデンに送らなきゃならなかったわ。彼らに懇願、哀願したのよ。どれだけ彼らの音楽を敬愛しているか伝えたわ。全部、本心よ。彼らはしばらく考えてたわ。ベニーとビョルンはすぐにイエスと言わなかった。彼ら、今まで自分たちの音楽をサンプリングさせたことなかったのよ。ノーって言われる可能性もあったわ。でも有難いことに、そうならなかった。」
※マドンナのコメント Wikipediaより
オマージュ
オマージュとは、音楽に限らず芸術全般や文学にも見られる営みで、尊敬の念を込めて「わざと似せてつくる」ことを指します。
「似せて作る」ということは、歌詞もメロディもオリジナルです。
その為、オマージュとパクリ(盗作)はしばしば混同され、トラブルや議論の種にもなっています。
みんながハッピーになる様な良いオマージュが成立するのは、オマージュする側のアーティストが対象のアーティストへのリスペクトを公にしていることや既に盗作する必要がないほどの地位があるなど、オマージュの完成度とは別の要素も問われる様に思います。
明らかにオマージュだと分かってもらえる様な、センスや遊び心も大切でしょう。
悪いカバー
上記の様なカバーはとても生産的である一方で、とても残念な悪いカバーもあります。
売名の為のカバー
残念なことに、世の中には商業的な狙いをもとに作られる音楽というものがあります。
その商業的な狙いにカバー曲が使われることがしばしばあります。
認知度の低いアーティストが過去の名曲をカバーする場合、そのケースが少なくありません。
原曲とほぼ同じカバー
アレンジ(編曲)がほとんど原曲と同じで「コピーしただけやん」なんてカバーもよくあります。
演奏する人間が変わっただけのカバーは、往々にしてつまらないです。
また「シンガーの性別が違うだけやん」とか「英語にしただけやん」なんてパターンも多いです。
持ち曲数の確保のためのカバー
自分たちで曲を生みだす苦労から逃げる為のカバーは最悪ですね。
聞けば分かる
個人的な感覚ではありますが、これらの悪いカバーには共通して臭ってくるものがあります。
結局は、その曲をそんなに愛していない感じがするのです。
尊敬もないから特に聞き込んで作られていません。
その曲の本当の良さを消化してれておらず、だからこそ自分たちのカラーに昇華できていないのです。
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おすすめの名カバー曲
「Hallelujah」Pentatonix
原曲はLeonard Cohen。
「百合コレクション」吉井和哉
原曲はあがた森魚。
「ラブリー」大橋トリオ
原曲は小沢健二。
「Heart-Shaped Box」Pheroi
原曲はNirvana。
「Have You Ever Seen The Rain」Hi-STANDARD
原曲はCreedence Clearwater Revival
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